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切ない関係

第13章 本当は。



「……てな訳で…」

一通り今あった出来事を話した。すると澤部は「災難だったな」と苦笑いを俺に向けた。


「俺は真剣に悩んでるんだよ!」


少しムッとした口調で言うと「ゴメンって」と少し笑いながら返ってきた。


「で、相葉はどっちに悩んでんの?」


「へ?」と返すとはぁ、と大きなため息が聞こえた。


「だから、男からラブレター的な紙貰った事?二宮先生が怒ってた事?」


そう言えば、このラブレター?は男から貰った物だった。なんて言ったらバカにされそうだから絶対言わない。


「うーん…」


男からのラブレター?なんて、一度も貰った事がない。でもここは男子校な訳で…


でも、今はラブレター?より二宮先生の怒った表情が頭に焼き付いていて、離れない。


「うーん…分かんない」


と適当な返事を澤部に返し、机にうっぷした。

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