切ない関係
第13章 本当は。
ちょうど倉石くんで見えない扉から、声が聞こえた。
「はぁ……はぁ……っ、そこで、なにしてるんだっ!」
とぎれとぎれの言葉だけど、わかった。二宮先生の声だって。
こをな所を見られている事に焦って、とっさに僕の唇を塞いでる倉石くんの胸を押してもびくともしない。
「ん〜っ!んんっ」と苦しくて声を出すと、チュッとリップ音を立ててようやく唇が離れた。
「はぁ、はぁ…」と息をあげていると、二宮先生がこっちにやって来た。何故か、怒り顏で。
「おい!何やってんだと聞いてる」と倉石くんに詰め寄る。
「あれ、見て分かりません?キスですけど。」