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切ない関係

第13章 本当は。

二宮先生side

「じゃ、さよならー」と言って倉石は帰って行った。

あいつ、最後さらっと嫌味言っただろ。理科の授業の時覚えてろよ?

まぁ、倉石が相葉のこと諦めてくれたのは良しとして聞き捨てならない言葉を聞いた気がするなぁ?しかし完全に先生の存在忘れてるだろ…。

「おい相葉」

名前を呼んだだけなのに大きく肩を揺らしてこちらを振り向いた相葉は、心なしか顔が赤い。

「あ…先生」

「完全忘れてたな?」

「いやぁ、そ、そんなことは………はい、すいません」

俺の空気に圧倒されたのか、それっきり口を噤んでしまった相葉。でも聞いとかなければいけない事が一つあるんだ。

「好きなやつ、いるのか?」

「うぇっ⁉︎」と大きな声を出して大きな瞳が俺を見る。

「お前、さっき言ってたじゃないか。好きな人がいるからーって」

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