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切ない関係

第15章 意外な一面。

松本先生side


「キュッ・・・・・キュ・・・・・シュッ」

またやってる。

まだ授業が始まるにはかなり早い時間なのに、体育館には靴が擦れる音とボールが跳ねる音が響いてる。

少し開いてる扉から覗けばもう何回も見かけた姿がそこにいた。

「あっ先生じゃん!はよーっす」

俺に気付いた相葉は、手にボールを抱えたまま走ってきた。

「はよ。今日朝練はないんじゃなかったか?」

「自主練だよー!もっと上手くなりたいし」

へへっと笑う相葉がどうしようもなく可愛く見えてしまう。

「汗、ちゃんと拭けよ」

「うん、ふふっ」

おでこに張り付いた髪を梳くと照れくさそうに笑う顔が、俺の1日の原動力だったりする。


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