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切ない関係

第9章 言わなくても。



居酒屋に入ってから一時間ちょっとなのに、ニノが酔い始めた。



「大丈夫?今日は酔うの早いね」



「酔ってないよ?まだまだいけるよ~」


はぁ…絶対酔ってる。



「そんな事より、聞いてんの?」



また始まったよ、さっきからその話ばっか。



「まーくんはもっと警戒した方がいいって!惚れられやすいんだから…」



最初は否定してたけど…


なんだか面倒くさくなって、今は聞き流している。



そんな事心配しなくたって、俺が見てるのはニノだけなのに…



そう言えば、あんまり言ってくれないな…「好き」って



普段から言わない人だし、自分からお願いして鬱陶しいって思われたくないよ…


「おーい、聞いてんの?」



ニノの言葉で現実に引き戻された。



「あぁ…ごめんごめん。聞いてる」



「俺が言いたいのは…」



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「分かった?本当に気を…」



「はぁ…もう十分分かったから、今日はね?もう帰るよ!」


もうその話しかしないと思ったから、まだ飲めるって言うニノを引っ張って会計を済ませて店を出た。


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