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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

私たちは、『傷の舐め合い』の中でしか、存在し得ないんだ。



でも…もうそれだけじゃ、この気持ちは収まりきらないよ…。



「ふっ…。」



涙が次々と、流れだす。



いけないと思っても、止まらない。



胸が切なくて、痛かった。



辛くて、ずっと眼を閉じてると、唇に何か触れてきた。



え…この感触…。



眼を見開くと、間近に小田切さんの瞳を閉じた顔がある。



「ん…。」





私の唇に…小田切さんの唇が重ねられていた…。







キス…されてる…。

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