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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

小田切さんの背中に、しがみつくように服を握る。



「う…うふ…。」



口の中を優しく丁寧に舌先でなぞられ、舌は飴玉の様に小田切さんの上で包まれる。



なんかもう…トロトロに溶けしまうんじゃないかと思った。



唇が離れ長いキスから、解放された頃には、思考なんか回らないほど惚けてしまって、虚ろな瞳で小田切さんを見詰めると



「香織ん…しっかり掴まってて…。」



「はい…?」



私の腕を彼の首に回させると、急に宙に身体が浮いた。



「きゃぁぁっ!」



そんな私を微笑みながら見詰めて、軽くキスを落とす。



「くっ…。」



クラクラするぅ~!



鼻血が、出そうです!



そして小田切さんは、自分の部屋の前まで来ると、少し開いてたドアを足で蹴飛ばす。

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