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理想と偽装の向こう側

第21章 逆転

「わっ!」



「ちょっと行儀悪いけどね…。」



そして、小田切さんのベッドの上に私をそっと載せて、頬や首に掛かる髪を優しく払う。



「香織…。」



凄い色っぽく見詰められて、それだけで身体中の血が沸騰しそうだった。



「お、小田切さん…。」



腕を伸ばしますと顔が近付き、唇が重なる。



少し離れる度に、優しく、



「香織…。」



と、呼んでくれた。



私も呼ばれる度に



「小田切さん…好き。」



と甘く囁く。





それからは、本当に夢の様で…優しく壊れ物かの様に大事に触れられ、甘い感覚に襲われる度に、私は何度も



「小…田切さん…。」



と、呼び続ける。







重なり、繋がってイキながら…
これ以上ない甘い海に




揺らされていった…。

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