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理想と偽装の向こう側

第5章 トラウマ

お風呂から上がって、髪を乾かしながら今日の出来事や五日間のことを思い返していた。



目まぐるしかったな…。



お陰で、嘉之のことにそんなにハマらなくて済んだかも。



一人の時は、ここ一年くらいは、毎日のように泣いていた…。



小田切さんに、たまに掘り下げられたけど、一緒に分かち合ってくれたから、逆にデドックスの様にスッキリしている。 



敢えてしてくれてるのかな…。



小田切さんは、私が自身が一番ネックになってた部分や、伝えたかったことや何より嘉之に分かってもらいたかったことを理解してくれてる。



女友達には何人か相談してたけど、男の人でここまで話した人もいなかったから、また目線が違うんだろうな…それか…。




『傷』を持ったモノ同志だから…?



何気にカレンダーを見やる。
嘉之に連絡しなくなってから三ヶ月経ったな…少しは気にしてくれてるかな…。



まだまだ、そんな未練が消せない。



その反面、明日からまた小田切さんと、どんな珍騒動があるんのかな…と考えると自然に口元が綻ぶ。



穏やかなさざ波に揺られてるような心地良い感覚で、眠りに落ちていった…。

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