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理想と偽装の向こう側

第22章 約束

「ケジメって?分からないよ!私は、一緒に居たいだけなの!離れたくない!」



涙が、次々に溢れでる。



「あぁ!もぅっ!!」



小田切さんは吐き出すようにそう言い、私を力いっぱい抱き締めた。



「はぁ…困らせないで…。」



「小田切さんが…ひっく…訳わからな事、言うから~!」



「ごめん…でも顔見てると…我慢出来なくなりそうで…。」



ん?我慢…って。



涙が止まらない。



「何で~?」



小田切さんは肩に顔を埋めて、またため息を吐いた。



「ずっと…我慢してたから…。」



「小田切さん?」



「昨日、やっと抱けて…我慢してた分…正直、自制が利くか分からない…。」



自制?それは…。



「ほえ…?」



間抜けな返事をしてしまった。

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