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理想と偽装の向こう側

第22章 約束

小田切さんは、驚いた様に振り向いて



「香織ん…?」



「な…何で、なんで同棲止めるの!」



私の問いかけに、眼を細め一呼吸置いてから



「止める訳じゃないよ…しばらく時間を空けるだけだよ。」



「私は、嫌っ!小田切さんの側に居たい!」



「香織ん…。」



私は、小田切さんの腕を掴んだ。



「何がいけないの?教えて…私、努力するから!」



ため息を吐きながら、小田切さんは辛そうに



「はぁ…香織んは、悪くないよ…。俺自身の問題なんだよ。」


 
俺自身?それって…



「光花さんの事?忘れて欲しいなんて思わないよ。」



小田切さんは泣きそうな顔で、私の頬に手を触れて



「光花は、関係ないよ…香織んの事、大切にしたいから俺なりのケジメだから。」



ケジメ?

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