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理想と偽装の向こう側

第23章 幸か不幸か

そして結局、水曜日は部署の飲み会になった。



金曜日だけは、何とか外してもらったけど。



昼休みに、休憩室でコーヒーを飲んでいたら、何故か社内の余り知らない人まで



「おめでとうございまぁす。」 



と言われたり、ため息を吐かれたりした。



何で社内に、広まってんのよ!



挙げ句、旧元木…現須永柚有葉まで現れた!



「渡辺さ~ん!聞きましたよ~おめでとうございますぅ!」



パァン!と、小さなクラッカーまで鳴らす。



「何これ…何で知ってんの?」



「これは~こないだ飲み会に使った余りです!何でって、社内中の噂ですよぉ~!」



「何で平社員ごときの話が、社内の噂になるのよ!」



条件反射か、警戒してしまう。



「言ったじゃないですかぁ~!渡辺さん、案外人気者なんですよ!」



案外って、何よ!



「それと前回のプロジェクトで注目されましたからね…カッコ良くていいですよね…。」



あら、ちょっとしおらしい。
でも



「お相手誰なんですか?社内の人ですかぁ~?」

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