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理想と偽装の向こう側

第23章 幸か不幸か

「なっ!何で?」



「だって指輪なんて、なべちゃん初めてじゃん!それも左手薬指っ!」



樋口さんも、目敏い!



井関さんまで、デスクに来て



「あら、浮いた話聞かないと思ったら、いつの間に!」



「井関さん!」



「井関さぁ~ん!お祝いと尋問兼ねて、皆で一杯引っかけませんか!」



「いいわねぇ!最近行けてなかったしね!」



「樋口さん!」



「じゃあ~スポンサーの課長も誘っちゃいますか!」



「そうね!じゃあ、皆にはメールで呼び掛けておいて!」



まだ何も言ってないのに、大事になっていくと言うか、何かに託つけて飲みに行きたいだけなんじゃなかろうか!



樋口さんは



「ラジャりました!」



と嬉しそうに、仕事そっちのけで一斉メールを作成していた。

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