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理想と偽装の向こう側

第23章 幸か不幸か

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最近、小田切さんは仕事を分散して、平日も少し早めに帰ってきて、夕飯を家で食べるようになった。



夕飯の準備をしながら、私は母親に電話した。



『あら、香織!久し振りね。元気にしてるの?』



久々の母の声が、温かく聴こえる。



「ごめんね…バタバタしてたから全然連絡出来なくて。」



『まあ~元気な証拠だろうから、で今日は何かあるんでしょ!』



流石、年の功だ!



「うん…会わせたい人がいるんだけど、お母さんたちの都合どうかな?」



『私たちは、いつでもいいけど…彼氏?』



彼氏…キュン。 



「う、うん…彼が両親に会いたいって言ってて。」


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