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理想と偽装の向こう側

第27章 *番外編* あの日から…。

ドアの前で、一息吐く。


平常心、平常心…。


「ガチャリ…。」


ドアを開いたら、目の前に今にも飛び出して行きそうな香織が、小さく荷物をまとめて立ち尽くしている。


出て行こうと…何で?


心中、穏やかじゃなくなる。


「ただいま~。あっ、香織んどうしたの?荷物なんか持って…あれ、泣いてた?」


そう…彼女の瞳は赤くなっていた。


「小田…切さん…。ご、ご免なさい…。」


彼女は謝ってきた…何で謝るの…。


不穏な心から、期待に変わる自分がいた。


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