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理想と偽装の向こう側

第2章 出会い

その手が温かくて、さっきまで世界の終わりのようだった絶望感から、ちょこっとだけ救われた気持ちになった。



「じゃあ、一週間後…。」



と、言いかけたら



「よっしゃっ!!これから飲み行くぞ!!」



「えぇっっ!!」



「新しい人生の門出に、乾杯しなくちゃな!!」



と、またしも満面の笑顔を見せた。



「人生の門出って…。」



それは、ちょいと違うんでは?
と、また自問自答をしつつ、悪い気はしなかった。



そんな二人を沈む夕日が照らし、長く伸びる影が一つに重なっていった。


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