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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「ここのケーキ、絶品~!」



甘いものを食べて、すっかりまったりモードに落ち着いた。



暢くんが、クルッと見渡し



「それにしても、広くて素敵なマンションですね!僕だったら一人じゃ寂しくなってしまうかも。」



無邪気に言った。



そっか…暢くんは事情を知らないから、今日はただの集まりだと思ってるんだよね…。



それなのに小田切さんは、



「そうなんだよね~。だから、香織んと一緒に住むことになって、寂しくなくなったよ。」



しれっと言ってのけた。



三人フリーズ!!



流石の黎子も、一瞬眼を大きく開いた。



同棲もバレたし、『香織ん』と言いましたよね!



フォークを宙に浮かし、唖然としてると



「あっ、香織んクリーム付いてるよ。」



腕を伸ばし、私の口端を人差し指で拭った挙げ句、自分でクリームを舐めた。



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