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理想と偽装の向こう側

第7章 利用と束縛

「二つ目、同棲をバラしたり、人前でクリーム指で拭い取ったり。既成事実を作ろうとしてる風に見えるんだけど。」



「既成事実ね~。」



「実際の既成事実は、やる気無いのにね。相変わらずキスもしてないんでしょ?」



「………してませんよ。自分もそんな気ないし。」



「ふ~ん。三つ目!」



三本の指を目の前に突き付けて



「異様に広いマンション。あれ、独り暮らしの広さじゃないわよ。」



「でも、独りで広いところに住む人も要るんじゃないの?」



「彼、そんなタイプ?」



「う~ん…無駄に贅沢するタイプじゃないとは思うけども。」



うどんの棒とかは別として、揃えているものは至ってシンプルだしな。



「元カノと住むつもりだったんじゃないのかしら?」


「あっ…。」



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