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理想と偽装の向こう側

第7章 利用と束縛

金曜日

今日は、ハンバーグシチューと、小田切さんが言っていた。



シチューでハンバーグを煮込むんだとか。



考えてるだけで、お腹が空いてくる。



色々メニューを思いつくもんだなぁ~。



後二時間、頑張るぞ!



ピンポンダッシュのために、サクサク仕事を進めてく。



斜め前に座る同僚の樋口さんが、話しかけてきた。 


「なべちゃん、金曜日モード違うよね!やっぱりデートなの?」



樋口さんは、私をなべちゃんと、アダ名で気さくに呼ぶ。



「違うよ~。一週間を労って飲んだくれるの!」



あながち嘘では、なかろう。



「ははは!結構飲むもんね!最近一緒に行ってないね~。」



「そうだね…。今度行こうか!」



「行こ行こ!久々だね!広報にいた元木さんと飲みに行った以来かなぁ~。」



「…そ、かも…。」



「聞いた!?元木さん、先月結婚式あげたの~!トランスのほら、なべちゃん担当してたじゃん!」



「須永さん…。」



「そうだ、須永嘉之!」



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