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理想と偽装の向こう側

第7章 利用と束縛

嘉之だ!



来てたんだ!



どうするか迷った…。
けど、小田切さんは、金曜日のために毎日、頑張ってくれたんだし…正直、嘉之と話す勇気がない…。



よしっ!ここは、気づかない振りだ!



そして、私は然り気無くスピードを早めて出入り口に向かった。



「おい!待てよ!香織だろ?」



げっ!そんな大声、出さなくても!



それに、追い掛けて来てる足音が、聞こえる。



落ち着け…出口を出たら、タクシーを捕まえるか、ダッシュするんだ…。



こないだまで、愛してた相手に何で、こんなことになってるんだろう。 



全身、冷や汗状態だった。



あと少し!!



「おい!香織なんで、無視するんだよ!」



その怒鳴り声と共に、私の腕は、嘉之に掴まれていた。



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