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理想と偽装の向こう側

第8章 絶対服従

2011号室

嘉之が連泊してる部屋。



ヤバい…本当にヤバい…。
かなり怒ってる。



部屋に入れられてしまった私は、ソファーに座りながら、かなり緊張していた。



嘉之は基本、子供っぽい。
私だって、お気に入りのオモチャの一つに過ぎないんだ。



けど、今で従順だったオモチャがいきなり反発した訳だ。



何をしでかすか、分からない。



あぁ…やっぱり、ダッシュで逃げとけば良かった。



「ルームサービスで、ワイン頼んでおいたから…とりあえず乾杯し直そうぜ。」



そう言って嘉之は、グラスにワインを注いだ。



私は蛇に睨まれた蛙、状態で



「う…うん。」



隣に座って、グラスを差し出す。



「はい…乾杯!」
「乾…杯…。」



グラスを軽く当てると、嘉之は一気に飲み干した。



わぁ~!やっぱりキテる気がする!



私は、両手でグラスの柄を持ち、ワインを一口飲んだ。



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