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理想と偽装の向こう側

第3章 初めての夜

「お待たせしました!」



時間も遅くなり、居酒屋も若干落ち着いてきた。



週中の水曜日では、サラリーマンはそろそろお開きであろう。



追加の焼酎のグラスを両手で持ちながら、向かい合う彼を改めて冷静に観察?…と、いうか見てみる。



パーツは派手じゃないけど形がキレイだし、確実にイケメンだった。



私は、見た目硬質的な人がタイプだが、小田切さんはソフトさが滲み出てて、一般的にモテる大道タイプだろう。



そんな人が、大失恋で怒鳴ってた私に同棲なんて言ってくるのは、謎にしか思えない。



「小田切さんは、彼女さんとか居ないですか?」



ホロよいの勢いもあり、直球の問い掛けしてみた。



「ん?普通彼女がいたら、香織んに同棲なんて申し込まないでしょ。」



ま…確かに…。



普通だったらね。
でも、普通じゃないし!



更に突っ込んでみた。



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