テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

会場は、そんなに広くはなく全体的にホワイト一色で、作品が映えて観える。
真四角な作りではないので、スペースを活かすことも出来そうな、お洒落感を漂わせていた。



ぐるっと見渡していると、若い男性が近付いて来た。



「いらっしゃいませ。個展にいらしてくださったんでしょうか。」



「あっ、はい…先月本で見まして。」



「そうですか!わざわざ有り難うございます。宜しかったら、受付にお名前を書いていって下さい!また、何かの際には、お知らせとかしてもいいですか。」



お知らせくれるんだ! 



「はい!是非お願いします。」



若いのに丁寧な人だな~。



「以前から須藤の作品は、ご覧になられてましたか?」



「いえ…初めてです。専門誌見て、凄い興味が沸きまして。」



特に本人に…。



「それは嬉しいですね。本人もいるので、伝えますね。」



「須永さん、いるんですか!?」
「はい!」



超~ラッキー!!!これを運命と呼ばずして何と言うか!



私のテンションは、うなぎ登りになった。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ