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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

一目惚れから1ヶ月後、須永嘉之の個展が開催された。



会場費もばかにならない。
期間はそんなには、長くないようだ。



基本的、私は余り一目惚れをしない。 



気になっても、じっくり観察してしまうのだ。



熱しにくく、冷めにくいので、一回誰か気になるとスパンが長くなってしまう。



でも、須永嘉之は違った。



余りにも好み過ぎて、衝動で突き動かされてしまう。



黎子が心配していた。



「あんた、尽くしちゃう方だし、片想いとか平気なタイプだから、気付いたら、いかず後家みたいにならないでね。」



腐れ縁の黎子の言葉は、結構的中してしまうので、気を付けよう。




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