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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

個展も最終日に近付いてきた頃、もう一度覗きに行ってみた。



ちょうど人観覧しているがいなくなったのか一人もいなく、更に受付には須永さんが一人でいた。



ラッキー!!



今日の前にも、覗きにきたら案外女の子に囲まれてたからな~。



若干、恐る恐る声を掛けてみた。



「こんにちは…。」



「…あっ…いらっしゃい…シエロの子だよね。」



「は、はい。渡辺です。」



名前は覚えられてなかったが、シエロの印象はかなり残ってるようだ。



それだけでも、十分ですよ!



私は心の中で、乱舞していた。 



「最終日近いから、もう一回観たくて。」



「そっ、誰もいないし、ゆっくりしてって。」



「ありがとうございます。」



よっし!ゆっくりしていくぞ!
このシチュエーションに、かなり気合いが入ってしまう。



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