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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

私は、また作品を見渡した。



前回気に入った『Cielo verde』の立ち止まった。



凄いインパクトがある構図な訳ではないが、微妙なグリーンの同系色の使い方に目を奪われる。



「やっぱりシエロ、気に入ってくれてる?」



須永さんは、紙コップに入れたお茶を差し出してくれながら、話しかけてきた。
それだけで、心臓止まりそうです!



「は…はい…。」
「何で?」



私は自然と感想を述べ始めた。



「『Cielo verde』って…イタリア語で緑の空ですか?」



「…調べた?」



「はい…気になって…。」



「ふ~ん…。」



須永さんは、お茶を飲みながら口元が笑った。




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