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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

「ごめんなさい!偉そうにベラベラとっ!」



「ん…あぁ…全然。仲間内以外で、ここまで具体的に言ってくれる人いないし…。作品の感想を聞けるのは、アーティスト冥利に尽きるよね。」 



す、凄い!
須永嘉之と目の前で、めっちゃ会話しちゃった。



それに、作品について語る表情が、最初に見た時のように凄い穏やかだ。



私も絵描きを目指した時期が、あった…。



やはり、評価を聞ける時は嬉しかったし、もっと頑張ろうと思えた。



私が叶えられなかったもの…須永さんなら叶えてくれるかも…。



「これからも…頑張って下さい…これからも…ずっと見てたいです。須永さんを。」



「…ずっとか…ありがとう…。」



須永嘉之は、屈託なく微笑んだ。



 

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