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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

「須永嘉之くん、最優秀賞受賞おめでとう~!」



「乾杯っ!!」



昔からの仲間も多いせいか、自分事のように喜んでいる。 



お店には申し訳ないくらい、大騒ぎである。



これがお店じゃなかったら、野球の優勝チームみたいにビール掛が始まってもおかしくない勢いだ。



「店に迷惑だから、静かにしろよ。」



当の本人が一番落ち着いていた。



余りテンションも高くなさそうだけど、何かあったかな?



私は、片隅で大騒ぎの皆を、眺めていた。



安岡さんが


「渡辺さんも、ジャンジャンいってね!もう二度とないかもしれないから!」



「そんな!」
「おいっ!安岡!聞こえてるぞ!」



嘉之が笑顔で、言う。



いいな~仲間かぁ~。




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