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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

それから、嘉之は凄い饒舌に話していた。


ずっと笑顔で、嬉しそうに、他愛ないことまで話しいる。


それを私だけが、独り占めしてるかと思うと、幸せで胸がいっぱいだった。 


大分時間が経過したであろう、時計を見ると、24時を過ぎていた。


「あっ!終電!」


「ある?」


「…微妙です…。」


てか、ほぼアウトだな…どうしよう。


「じゃあ、諦めて飲もう!」


「えっ!」


「はい!また乾ぱ~い!」


ま…いっか…。


こんなチャンスも、二度とないかもだし、それにいつになくテンション高い嘉之が嬉しかった。


「…香織…。」


ギャッ!なに!!


「は、はい!」


嘉之の手が伸びてきて、私の頬に触れた。



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