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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

お互いチューハイの栓を開け、嘉之がニヤリと笑い、缶を持ち上げた。


「改めて、乾杯。」
「乾杯です。」


一気にチューハイを飲み、


「はぁ~!やっとだ!!」


嘉之は、大きく息をつき、ネクタイを思いっきり弛め、後ろに体重がかかる姿勢で手を着き、超リラックス体制になる。



ボタンを外したシャツと、弛めたネクタイ姿が、めちゃツボりクラクラするわ!


ああ…私、生きて帰れるかしら…。


それにしても、今回の受賞は本当に大きい。


準備段階から、いつになく気合いを感じてたし、張り詰めてたから、今日まで緊張してたのかもな。 


「本当にお疲れ様でした。」


心から、労いの言葉をかけた。


「ん…ありがとな…香織いつも応援しててくれたしな。」


はうっ!


また、名前だし!
その一言で人生思い残すことありません!



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