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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

「はぁ~。」



「なべちゃんどうしたの?妙に重いため息だよ。」



同僚の樋口さんが、心配そうに声をかけてくれた。



「はは…ちょっと疲れたかな~って。」



「そりゃそうだよね~毎日残業だもん。なべちゃん凄い頑張ってるよ!手伝えることあったら言ってね!今日は、もう帰れるの?」



「うん…ひと段落したから、帰るわ。」



「良かったね!お疲れ~!」
「お疲れ様!」



私は、バックを取りオフィスを出た。



帰りがけに嘉之のところに寄ってみようかなと思うけど、足が重い。



最寄り駅から、一緒に歩いた道を辿る。



昨日は、楽しかったのに…一晩でこんなに変わってしまうもんなんだな…。



一晩と言うより、数時間だし。



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