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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

「あぁ…えっ!今から!?」



嘉之は、床に転がってる私をチラッと見てから



「他の日は?…あぁ…はぁ~。分かったよ!じゃあ、そこ行くから!チッ!」



電話を切るのと同時に、舌打ちをする。



「香織、待ってろよ!」



そう一言、残して嘉之は玄関に向かう。



床に転がってるキャンディが嘉之の足で蹴られ、壁にぶつかりクルクリ回った。



床に頭を着けてる視線から、回るキャンディを見詰める。



「ガチャン…。」



ドアが閉まる音が響く。



「はぁ…気持ち悪い…。」



トイレまで何とか這っていき、嘔吐するが胃液しか出ない。



「ガハッ…うっ…うえっ…。」



しばらく呆然としていた。



床には沢山のキャンディが、転がっている。



こんな風に、簡単には私たちは、バラバラになっていくのかな…。


 
片想いの方が、楽だった…。



「あ…もしかして未だに、片想いだったり…はははっ。」



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