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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

距離を置こうとしたのに、結局この様だし。



抱き締められて、キスされて…肌を重ねても、核心には触れられない。



元木さんのことも、簡単にあしらえる感じに言うけど、最初からそのつもりだったのかな。



何で、私の前で…約束するの…。



私たちの関係、知られたくないからかな…。
まぁ…彼女にだけは、知られたくないけど。



嘉之の好きなクリームシチューをかき混ぜ続け、悶々と考えていた。



一時間くらい経ち、シチューも出来上がり、やることが特になく、掃除機をかけ始めた。



なんかしてないと落ち着かない。
それも終わってしまったので、お風呂掃除をしてみた。



「入っちゃおうかな…。」



でも、いつ帰ってくるか分からないしな…。



シャワーで泡を流し、乾いたタオルで水気を拭き取った。



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