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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

逆に聞くのか!



「今のパイプ、かなり古いから最近軋み激しいだろ、うるさいし狭いし…あれ香織…顔赤いよ。何考えたの?」



ニヤッて笑って意地悪い。



「赤くないし、何も考えてないし!」



「ふ~ん。セミダブルくらいは欲しよな。」



「分かった!カタログ探しておくね!」



なんで、同意を求めてくるかな!



嘉之の口元は、やはり不敵に笑っていた。


◎ ◎ ◎ ◎

食べ終わり、マンションに戻って交代で、お風呂に入った。
焼き肉の匂いは、やはり染み着くな。



お風呂から上がると、先に髪を乾かしていた嘉之が、片手にドライヤーを持ったまま手招きをする。



「香織、髪乾かしてやるよ。」



「えっ…自分でやるよ。」



「いいから、来いよ。俺結構、上手いよ!」
「分かった…。」



俺様には、逆らえないしな…。



ソファーに座ると嘉之は、後ろから私の髪を乾かして始め優しく掻くように、髪を丁寧に指ですく。 



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