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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

嘉之が実家に戻って、三日経った頃、約束は果たされてきた。



「チャラチャラ~!」



メールボックスを開くと、添付があるメールがきた。送り主は、嘉之だった。



ネコ様、キターーー!!



写メは五枚ほど、添付されていて厳選したであろう可愛らしいネコ様のベストショットが写っていた。



「ははっ!確かに可愛いわ!」



まあ、ペットには勝てないよねと思ってたら、



「チャラチャラ~!」



あれ~またメールだ。
今度は三枚添付されている。



開いてみると、そこには未だに曾て見たことのない、ネコと戯れている嘉之がいた。



家族に撮ってもらったんだ…。



ネコに頬や鼻くっ付けてじゃれている…こりゃ反則だわ。 



久々にときめいて、しまったよ!
本当にネコ様々だ!



本文には、実家の様子とか書いてることもなく、ただ一言…



『きなこ(メス)』



きなこ?ネコ様の名前かな…。



『おはよう!写メありがとう!きなこちゃん?めちゃめちゃ可愛い~(>▽<)沢山送ってくれてスッゴい嬉しかった↑嘉之も可愛く撮れてるね(笑)』



本気で感想をレスした。
勢い余って色々書きそうだったけど、仕事中だったから端的に送った。
すると、珍しく早くレスが来た。



『可愛いいだろ(=^x^=)』



ぶっ!結構親バカなんだね…温かいものが胸の中に広がって、穏やか気持ちに満たされていく様だった。


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