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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

「一段落だね。本当に頑張ったね。」



梶さんは、優しく笑いかけてくれた。



「はい…最初は、手探りで初の試みでどうなるかと思いましたが、周りの方々に本当に助けて頂けたから、今日を迎える事ができました。」



特に梶さんには、本当に支えてもらった。



「本気で頑張ってる人にはね、自然と集ってくるんだよ。一緒に夢を見たいしね。」



くぅ~!梶様っ!



「梶さんが居なかったら別の意味でヘコタレてたかもしれません…。」



「ははっ!いや、こちらこそ改めて省みたよ。渡辺さんと仕事出来て良かった!また機会があったら、宜しく!」



そう言って手を差し出してくれたので、私も手を出し握手を交わした。



「彼どう?」



「はぁ…コンテスト近くて、最近連絡取れてないんです…頑張ってはいるみたいですが。」 



「そうか…このプロジェクトで、注目は出始めるだろうから、次のステップには必要だろうね。彼なりに考えてはいるんだろう。個人的にも話ならいつでも聞くよ。絶対一人で抱えないようにね。」



「ありがとうございます。」



本当に感謝だ…そう思い、頭を下げた私に、梶さんは片手を上げながらカッコよく、この場を離れた。



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