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理想と偽装の向こう側

第12章 板ばさみ

水曜日

約束通り、ハイネケン持参で黎子の家に赴く。



チャイムを鳴らすと

「いらっしゃい。」



ホームウェアで、髪をアップしたラフな格好の黎子がいた…勿論、素っぴん。



「お邪魔します~。」



久々だな、黎子ん家。



「はい、貢ぎ物です。」
「は~い。有り難う。」



渡したハイネケンを冷蔵庫にしまいながら



「何、飲みたい?」



「う~ん、焼酎かな…。」



「了解…美味しい梅干しあるわよ。お湯割りの梅干し入りにする?」
「お願いします!」



黎子とは、本当に気兼ねなく話せるから有難いな…。
お摘みも用意してくれていた。



「はい、どうぞ。」
「ありがとう…。」 



二人で割りばし持って梅干しを崩し始めた。



「これ、うっめ!」
「オヤジね…香織。」



「偶然だってば!」 
「偶然…?嘉之も?」



グサリ!!



「予告なしに、凄い攻撃しかけないでよ。」



「その話しをしに来たんでしょ。」



はい…そうでした…。



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