理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
「本当に大丈夫っ!自分でやるから!」
「自分じゃ、やり辛いよ。」
小田切さんは、ジリジリ寄ってきて、私を壁に挟み、逃げれないよう両腕を壁に押し付けた。
超密着なんですけど!
「あの…小田切さん…。」
「剥がすよ…。」
「やっ!」
あぁ…どうか虫刺されと思って下さい!
「……。」
小田切さんは黙り込み、目を細めて痣を見詰めていた。
なんで何も言わないんだろう…。
「小田…切さん…?」
「虫…か…。」
「えっ?」
小田切さんの顔が傾いて近付き、私の首元に寄せてきた。
「あ…あの…。」
嘉之が付けた痣の位置に、小田切さんの唇の感触がして、優しくゆっくりと肌を吸われているのが分かる。
「………!!」
余りに急なことに、パニックになるし、思わず声が出そうになり、小田切さんの服をギュッと握る。
「…小田…さ…。」
一分くらい経った頃、ようやく小田切さんが顔を上げ…
「…チュー。」
「はい?」
「虫と、間接チューかな?」
そう言って、ニヤリと笑う。
「自分じゃ、やり辛いよ。」
小田切さんは、ジリジリ寄ってきて、私を壁に挟み、逃げれないよう両腕を壁に押し付けた。
超密着なんですけど!
「あの…小田切さん…。」
「剥がすよ…。」
「やっ!」
あぁ…どうか虫刺されと思って下さい!
「……。」
小田切さんは黙り込み、目を細めて痣を見詰めていた。
なんで何も言わないんだろう…。
「小田…切さん…?」
「虫…か…。」
「えっ?」
小田切さんの顔が傾いて近付き、私の首元に寄せてきた。
「あ…あの…。」
嘉之が付けた痣の位置に、小田切さんの唇の感触がして、優しくゆっくりと肌を吸われているのが分かる。
「………!!」
余りに急なことに、パニックになるし、思わず声が出そうになり、小田切さんの服をギュッと握る。
「…小田…さ…。」
一分くらい経った頃、ようやく小田切さんが顔を上げ…
「…チュー。」
「はい?」
「虫と、間接チューかな?」
そう言って、ニヤリと笑う。