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理想と偽装の向こう側

第13章 対決

金曜日

今日は、特に何事もなく無事に帰れた。



引っ掛かることは、火曜日に滝島さんと話したことと、毎日嘉之からメールが来ることだった。



数ヶ月、放置されても毎日来るのは始めてで、正直困惑していた。



人の気持ちって難しいもんだな…離れようと思った途端にこんなことになるなんて…。



「チャラチャラ~!」



そんな矢先に、また来た…。



『土日で会えない?』



どうしよう…でも、今度こそ話を着けないと…。



けど…こないだの意気込みよりは、ちょっと欠けていた。



滝島さんから聞いた話が、あの日から私を一気に弱気にさせていた。



滝島さんが、小田切さんのために話してくれたのは分かるが、私たちの関係を知らないから、本当は付き合ってるくらいに思って、家にも呼んでくれるつもりでいたんだろう…。




私が、タイビールを飲みながら、ボウッと携帯を見ていたら、



「香織ん…大丈夫?嘉之からじゃないの?」



「ブッ!!ゴホっ!」



またか!



小田切さんから嘉之の名前出る事がドキドキするんですけど!



「香織ん、また~そんな慌てなくても。」
「だって!ゲホッ!」

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