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理想と偽装の向こう側

第13章 対決

「はいはい!それで嘉之何だって?」



すっかり相談ムードで、私のお皿にエビを巻いた生春巻きを置いてくれた。
今日は、エスニックだった。



よく思い付くよな…美味しいやぁ…。 



「土日で会えないかと…。」
「ふ~ん。行くの?」



そう聞きながら、小田切さんは手を伸ばして私の頭に載せた。



何か最近妙にスキンシップしてくるな…嬉しいような…微妙なような…。



「本当は…距離を置きながらフェイドアウトしたくて…。」



「うん…。」



「でも…そんな簡単には解決出来る相手じゃないんです…。」



「まぁね…6年間の積んだものもあるしね…。」



そこじゃないんですよ…。
サスペンス劇場になるからです。



「話してきます…。」



「大丈夫なの?」



「…バトルかと…。でも、それでも…お互いのためにも向き合わないと…。」



前に、進めない…。



何か感じ取ったのか、小田切さんは私の頭を抱えこみ、肩へ抱き寄せた。



「…小田切…さん…?」
「行かせたく…ないな…。」



えっ…!
ドキッとする。



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