テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第13章 対決

どうしよう…甘かった…。



きっと…再会した時に何回も着信あったから、私が寝てる間に携帯見たんだ…。



じゃあ、ここを知ってたのは?



嘉之のことだ…何らかの手段を講じたんだろう…。



ここで、二人を揉めさせる訳にはいかない。



私と嘉之のことで、小田切さんに傷でも負わせることは、させられない。



小田切さんは、臆することなく、顔色一つ変えず嘉之と対峙していた。



もしかして…こうなる日を想定してたのかもしれない…。
でも…。



「嘉之…話すから、場所変えよう…。小田切さん、荷物持って行ってもらえますか。」



私はスーパーの荷物を小田切さんに預けようとした。



「でも…香織ん…。」
「なに?香織んって…随分気安いんだな!」



嘉之は、このやり取りが気に触ったんだろう、怒りを含んだ声になっている。 



「香織、行くぞ!」
「ひっ!」



自然と身体がすくむ。
そんな私を見て小田切さんが、



「おい!須永くん!」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ