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理想と偽装の向こう側

第13章 対決


「ハイビームだな…誰だよいきなり…。」



嫌な予感がした…。



目が慣れて、現実を把握する…その先にニュービートルが停まっていた。



「ガチャ…。」



運転席のドアが、開く…。



「嘉之…。」
「えっ?」



小田切さんは、私の言葉に反応して、ニュービートルから出て来た人物を直視する。



久々にスーツ姿の嘉之が、静かに近付いて来た。



「よう香織…。そいつ誰?」
「っ…!!」



何で、このマンションを知ってるの?



「俺は…。」



小田切さんが、一歩足を出し私の前に少し出てくれ、名乗ろうとしたのを制止した。



「待って!…嘉之…何でここに居るの?」



「それ~こっちのセリフ…何で、ここに居るの?香織…。てか、誰だよ…やっぱり男いんじゃん!」



「違う!そんなんじゃない!」



「じゃあ、説明してくんない?」



そう言って、嘉之は私の手首を掴もうとした。



「やっ!」
「止めろ!」



小田切さんが、嘉之を止めようとする。



「あんた…『小田切さん』だろ。」



嘉之は、小田切さんを睨み付けた。



あぁ…一番避けたかった事が、現実になってしまった…。



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