テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第14章 時限爆弾

◎ ◎ ◎ ◎

時計を見ると、13時を過ぎていた。



飲み始めて二時間くらい経過してる。



その間、結局嘉之の本音らしいものは、ハッキリと聞けず、ワインをひたすら飲まされて正直、悪酔い気味で、吐きたいくらいだった。



私には、ハイピッチ飲ませるくせに、嘉之は一、二杯くらいしか空けてない。



「嘉之…なんで余り飲んでないの…?」



「えっ、飲んだら、車で送れないじゃん。」
「へっ…。」



送ってくれるつもりだったんだ…。



良かった…地獄絵巻を想像しちゃってたよ。



「そっか…ありがとう…。」



けど、気持ち悪い上に、眠気も襲う。



そもそも、ワインをこんなハイピッチで飲んだことない…体調が良いときにでも、ゆっくり飲むのに。 



私が辛そうなのを察したのか、



「香織、横になる?」



気遣ってくれた。
でも、油断がやっぱり出来ない。



「あ…うん…大丈夫…。」



本当は、余り大丈夫じゃない…。



意識が一瞬薄らぎかけようとした時、身体が無重力状態になった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ