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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

18時…終業のチャイムがなる。



「お疲れ様…。」
「お疲れ~気を付けて帰ってね!」



急ぎ足で帰ろうとしたが、行き先を変え、メールを打つ。



「チャラチャラ~!」



『いいよ。』



送った相手から、返信が来た。
私は、その人の家に向かった。



◎ ◎ ◎ ◎

「いらっしゃい、急にどうしたの?」



黎子の顔を見た途端、私は涙が溢れてきた。



「黎子…どうしよう私…。」



きっと、メールを送ってから察していたんだろう



「香織…とりあえず話を聞くから上がりなさい。」



「う…うん。」



黎子は、夕飯の準備を途中にして私を部屋のソファーに座らせた。



「コーヒーでいい?」 



コーヒー…。



「ごめん…水でいい…。」
「水でいいの?」



黎子は、綺麗なグラスに入れた水を持ってきてくれ、私に差し出しながら…



「で、何かあった?」
「来ない…。」



「何が?」
「生理…。」



「……嘉之よね?」



あぁ…情けない…。



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