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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

アンティパストたちを小田切さんが、手際良く形作る。
私は、ひたすら材料を切り続けただけだった。



並べた数々のアンティパストは、形も彩りも綺麗で、本当に美味しそうだ。



小田切さん…毎週腕を上げてるような気がします。



テーブルに並べて、ソファーは相変わらず背凭れにカーペットに座り込む。



キッチンから小田さんが、ワイン片手に聞いてきた。



「香織~ん!先ずは白からにする?」



あっ…しまった!



「あ…えっと…まだ検査してないから…水にしとく…。」



小田切さんは、顔が曇り



「そっか…残念だけど、水でいいの?お茶とかあるよ。」



お茶系も…カフェインが…。



「水が飲みたくて!何てね…。」



私は立ち上がり冷蔵庫に向かい、扉に手をかけようとしたら、小田切さんの手が重なった。



「香織ん…。」
「小田切さん…どうしたの?」



別の意味で、ドキドキする…。



「何か…隠してる?」


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