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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

小田切さんの胸に頬を寄せて、体温と心音を感じながら包まれていると、少しずつ胃の痛みも気持ちも落ち着いてきた。



小田切さんは、大事なモノのように抱き締めてくれてるのが、嬉しかった。



あんなになってまで、心配してくれて…ちょっと不謹慎だけど。



「心配性だね…。」



ポソッと言ったら



「あんなに痛がってたら、当たり前だろ!」



更に腕に力を込められた…どうしよう…凄い嬉しい…。



やっぱり私は、この人を失いたくない…けど…。



「ごめんね…。」



心配かけて…。
迷惑かけて…。
裏切って…。



ごめんなさい…。



「香織ん…。」



「ん…。」



「スキルス…って知ってる?」



「え…スキルス?聞いたことはあるような…。」



ドラマで、だったかな?



「…はぁ…。彼女のね…病名…。」



えっ…病名…。

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