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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

少し時間が経ちお互い落ち着いてきた頃、小田切さんか



「香織ん…、ここは冷えるから、ベッドで安静にしよう…。運ぶから、掴まってて。」



離れたくない…。



「嫌…。」



「はぁ…今日は、我が儘っ子だね。」



「ごめんなさい…。」



そう言いながらも、ギュッと、小田切さんにしがみ付く。



「ふっ…じゃあ、ソファーのところなら、いい?」



「うん…。」



「立てる?」



「うん…歩ける…。」



まだ、痛みを感じながら小田切さんの腕に支えられて、リビングに移動する。



小田切さんに寄りかかれるように楽な姿勢で座らせてくれた。 



「ありがとう…。」



「本当に…大丈夫なの?」



私の頭に頬を寄せて、強く抱き締める…きっとお互い、いつもと違うと思ってる…。




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