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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

無理だ…。



「すみません、俺には責任が重すぎますし、滝島に恨まれるのはちょっと嫌です。」



「あら、残念!」



「小田切~!!」



喜ぶ滝島に



「てか、早く決めてあげろよ!」



「考えてるよ!でもな、本当に悩むんだよぉ~!」



今からこんな親バカで、この先大丈夫だろうか? 



娘の反抗期の時になったら、泣いてる滝島を想像してしまう。



「ぷっ!」

「笑い事じゃないぞ!」

「笑い事よね~。」

「ははははっ!」

「小田切っ!」



笑いが止まらなくなった。
家族っていいもんだな…って、この瞬間思えてきた。



俺もこんな温かい家族を持てる日が、くるんだろうか…。



一瞬脳裏に、水越光花の笑顔が浮かんだ。



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