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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

それから水越さんはブルーベリーケーキ、俺はベジタブルスコーンを食べて紅茶を飲みつつ、食べ物や仕事の話で会話は弾んだ。



仕事柄と、さっきの夢からか、食にはかなりこだわりはあるようだった。



「じゃあ、キッチンは広い方がいいんだ。」



「はい!システムキッチンは、女子の憧れです!」



思わずエプロン姿の水越さんを想像してしまう。



ヤバい…萌えるよな。



「へぇ~キッチン綺麗だと、料理も作りたくなるよね。水越さんの得意料理は?」



パンプキンのスコーンを一口食べて、口の中の水分を持っていかれながら、水越さん情報を色々聞き出す。



「得意!?う~ん…肉じゃがとか…カレーとか…ん?あれ~煮込んでるだけですね!」



テヘヘと笑う彼女の笑顔に、手に持ったカップを落としそうになる。



無防備に、そんな笑い方されると、本当にヤバいんだけど!!



何故だろう…今更、照れる年でもないのに…彼女の全てに心が動かされて仕方ない…。



確実に、俺の中での水越さんの特別感は、確立されていくのを痛感する。


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