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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

食事を終えて腹ごなしも兼ねて、雑貨などを見て回る。



「すみません…付き合わせちゃって…。」



申し訳なさそうに言う水越さんに言ってくる。



「はは!気にしないでよ。俺なんていきなりマッサージに連れ込んだんだからさ。」



彼女が和めるように、冗談ぽく流すと



「でも…凄い、気持ち良かったですよ!」



………本当に爆弾だな…。
こんな台詞、他の男どもには絶対聞かせたくないし!



口元を手で覆い、どうしようもない気持ちを落ち着かせながら、周りに視線を泳がせる。



「あっ!水越さん、これ可愛くない?」



目に入ったのは、ガラス細工のウサギのペーパーウェイトだった。
他にも色んなモチーフがあったが、ウサギが一番彼女のイメージだった。



水越さんも、それを手に取り



「綺麗~。可愛いですね!」



「水越さん…ウサギぽいよね。」



小動物系が、似合う…。
耳付けても似合いそう…て言うか、俺さっきから妄想が広がっていってるよな…気を付けよう…。



「えっ!そうですか!?でも、こんな可愛いの目に付くなんて、乙女ですね~!」




「ははは!乙女か!」



「きゃっ!ごめんなさい!男の人に、失礼でしたよね!」



しまったと顔をしかめる水越さんに、またトキメク。



いやいや…男は結構、乙女だよ。


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